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エアコン(熱交換)の仕組み

先般、岐阜市の戸建のお客様よりグレードの高いエアコンを購入したため、長く商品を使いためにエアコンの室外機について劣化防止及び保護として周りに箱のように枠を作っても良いですかと相談を受けました。

 

お客様へは

室外機を設置する際にスペース確保の基準があるため(室外機にむかって前面20cm以上、左側面10cm以上、右側面(メンテナンススペース)35cm以上、背面側10cm以上)、その基準を超えての設置であれば問題ない事をお伝えしました。。。 が

 

下記の事と踏まえると、できるだけ囲む事から避けた方(箱ではなく、枠だけを付ける、天板<屋根>だけ付けるなど)が良い旨を補足してご説明させていただきました。

 

①ショートサイクルによる障害

室外機から放熱した空気を再び吸い込む事を繰り返す状態をショートサイクル(ショートサーキット)と言います。 この状態を繰り返す事で冷媒ガスを冷却できず、能力の低下やオーバーヒートして正常に動かなくなり、故障の原因となります。

 

 

②ヒートポンプの原理(熱交換のしくみ)

 ・ヒートポンプは熱を汲み上げる技術を言います。

 ・ヒートポンプは主に圧縮機・凝縮器・膨張弁・蒸発器で構成され、ヒートポンプサイクルによって冷暖房を行います。

 

 ◆ヒートポンプとは◆

水が高い所から低い所に流れるように、熱も温度が高い方から低い方へ移動します。 例えばカップに入れた熱いコーヒーも時間が経つと冷めてきますが、これはコーヒーの熱がその周りの低温側の空気の方へ移動しているからです。 自然の流れに逆らって、低い所にある水を高い所に運ぼうと考えたときに、ポンプを使うことはイメージできるかと思いますがヒートポンプも同様です。 つまり、通常の高い方から低い方へ移動する熱の性質に逆らって、低い方から高い方へ熱を汲み上げる技術のことを総じてヒートポンプといいます。 ヒートポンプでは、まわりの熱を利用して少ないエネルギー消費で、消費したエネルギー以上の大きな熱エネルギーに変換することが可能です。

 

 ◆ヒートポンプの原理(エアコンの仕組み)◆

エアコンには室内機と室外機があります。 室外機には圧縮機と熱交換器(冷房時:凝縮器/暖房時:蒸発器)が内蔵されていて、室内機には膨張弁と熱交換器(冷房時:蒸発器/暖房時:凝縮器)が内蔵されています。 これらの主要機器の熱移動の媒体となるのが冷媒です。 冷房サイクルの冷媒の流れを逆転させることで熱交換器の凝縮器と蒸発器の役割も逆転して暖房サイクルとなります。

冷房サイクル(エアコンが部屋の空気を冷やすしくみ)における各機器の働きと冷媒の変化は下記となります。

1)圧縮(圧縮機の働き)

冷房を開始すると圧縮機が作動し、低温・低圧の気体の冷媒を圧縮します。 気体を圧縮すると気体の温度は上がり、冷媒は高温・高圧の気体に変化します。

 

2)凝縮(凝縮器の働き)

圧縮機で高温・高圧の気体になった冷媒は凝縮器(熱交換器)に送られます。 凝縮器では冷媒と屋外の空気との間で熱交換を行います。 熱は高いところから低いところに移動しますので、冷媒の熱が室外へ移動し、冷媒は熱を放出したことによって高温・高圧の気体から中温・高圧の液体へと変化します。

 

3)膨張(膨張弁の働き)

凝縮器で中温・高圧の液体となった冷媒は膨張弁に送られます。 膨張弁では冷媒を減圧します。 冷媒は減圧されることによって膨張して温度が下がり、低温・低圧の液体に変化します。

 

4)蒸発(蒸発器の働き)

膨張弁で低温・低圧の液体になった冷媒は蒸発器(熱交換器)に送られます。 蒸発器では冷媒と室内空気との間で熱交換を行います。 熱は高いところから低いところへ移動しますので、室内の熱が冷媒に移動して、冷やされた空気が冷風となります。 冷媒は室内の熱を汲み上げたことで低温・低圧の気体に変化し、再び圧縮機へと戻ります。

 

上記の流れ1)→2)→3)→4)の冷房サイクルによって部屋の空気を冷やしています。 

 

 

 

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