冷媒ガス『R410A』にかわる『R32』
住宅用ルームエアコンの冷媒は、古くはアンモニアや二酸化硫黄などが使われていましたが、その後空調機の性能の向上、環境問題などといった時代の流れとともに、特定フロン(CFC)→指定フロン(HCFC)→代替フロン(HFC)という流れで冷媒が転換してきました。オゾン層の破壊の可能性という点では、代替フロンでも地球温暖化への影響は大きく、例えばルームエアコンで使われることが多い冷媒R410Aの場合でCO₂を1とした地球温暖化係数(GWP)の数値は2,090です。
空調や冷凍などの分野の各機器は、冷媒とともに進化してきた歴史がありますが、このままルームエアコンでR410Aを使い続けても、環境対応としても不十分でエネルギー効率や機器自体の性能を向上させることも難しくなってきました。そのような頭打ちの状況の中、R410Aにかわる冷媒として注目されてきたのがR32です。
R32はR410Aと比較すると地球温暖化係数がおよそ3分の1で環境に配慮された冷媒です。
R32は異種の冷媒を混ぜ合わせる混合冷媒ではなく、R32単一冷媒のため再充填などの取り扱いが容易。R410Aと圧力域が同じなので銅管や継手類などそのまま使用ができる。エネルギー効率も良いなど利点が多い。ただ、物質的にはわずかに燃性があるため、万が一に備えて燃焼機器をそばに置かないように配慮が必要です。
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